会社の規模が大きくなってくると事業構造も多角化してくるのが普通だ。電鉄会社が百貨店や遊園地を経営したり、食品メーカーがレストランチェーンを手がけたり、といった具合にだ。 しかし、傘下のすべての事業が利益を生んでいるとは限らない。もうかる事業もあれば赤字の事業もある。それが普通のことだ。普通ではあるのだが、しかし赤字の事業をそのままにしておいていいわけではない。そこで今回はNECを例に不振事業を決着させる手法を検討してみたい。 NECこと日本電気株式会社。NECとはNippon Electric Companyの略である。言わずと知れた日本を代表する総合通信電機メーカーである。この会社の経営状態は、いかなる状態にあるのか。まずはその確認から進めよう。 NECの経営状態は、調子が良いとは言えない。上図のように売上はここ数年フラットに推移している。5兆円に届かないあたりを微妙に上下し続けてい