「数えてはいけません。自然に体が動くのを待つんです。ハイハットの動きば かり見ていてもいけませんよ」。ユーモラスな今堀恒雄のMCぶりに、ステージも 客席も笑いの渦に包まれる(といっても爆笑しているのは、ほとんど内輪の人間 ばかりなのだが)。強烈なゆらぎ、うねりを発する「ティポグラフィカ」(以下 ティポ〜)のサウンド。彼らのライヴにおける客席の反応というものもなかなか 興味深い。くぎづけにされ硬直しているのかはたまた脱力感におそわれている (?)のか、微動だにしない客。大ホールの客席で大合唱とともに振られるペン ライト(あれだけはかんべんしてほしいよな)のごとく、気持ち良さそうにゆっ たりと横揺れを引き起こしている客。必死にビートをつかもうと手足でカウント をキープし続け、ついには力尽き、そのズレに打ちのめされている(?)客。し かし、ティポのグルーヴを感じるためのパーフ