東京で暮らした1年ちょっとの間、Twitterを通じて交友の幅が広がった。 漫画の話もした。本棚を見せてもらった事もあった。 だが、松本次郎を知っている人は一人も居なかった。 松本次郎を知って欲しい この場で僕一人が騒ぎ立ててどうこうなるものじゃないし、 そもそも多くのファンを抱える氏の作品紹介なんて無粋だと思う。 これは、松本次郎作品の魅力について語りたい僕の自己満足だ。 それでも良いという方、松本次郎を知らないという方は是非続きをどうぞ。 早漏で申し訳ないが、先に結論をまとめたい。 松本次郎作品、3つの魅力 1.確かな画力に裏打ちされた小気味好い「雑さ」 人物や物体の輪郭は一本の線でなく、二本、三本の線が複雑に絡み合った線で表現されている。 この一見「雑」とも取れる画風は、時に暖かみや懐かしさを覚えさせ、そして時には 狂気を連想させるなど、多彩な表情を魅せてくれる。 2.難解な表現に隠