あとがきに、「これまでの価値観から、時間は引き剥がされつつある。そして、まったく別な質を持った価値観に、貼りなおされつつある。大転換と言ってもいい。別世界の登場と言ってもいい。緑色の瞳の助けをかりて、ズーム・レンズごしに、僕はそのような世界を見た。そしてそのような世界の時間は、まだ大部分は未来のなかにあるけれど、一部分は早くも遠い過去にまで到達している。」とある。 これが書かれたのはいつだろうと思い見てみると、1990年7月16日 初版第1刷とあった。 今から約30年前だ。自分の30年前を思い起こしてみて、ああ、あの頃か、それなら、私個人にとっても大転換期だった。 それまで勤めていた美容室を離れ、自分ひとりだけでやっていこうと思い、それを実行に移した頃だ。 さらにそこから30年たった今、世界中がまさに大転換期にある。 そんな時間の流れを想像していたら、上下左右のない時間の螺旋階段が、ぐるぐ