百貨店・三越の前身で、江戸時代に三井高利が創業した呉服店「越後屋」は「世界初の大型量販店で、18世紀を通じて世界最大規模だった」との研究成果を、公益財団法人、三井文庫(東京)の由井常彦文庫長(経営史)がまとめた。 欧州の文献などとの比較で、現在の価値で年商約100億円に達する売り上げや店員数、敷地面積がそれぞれ世界屈指であることが確認されたという。 研究は、仏国立社会科学高等研究院のパトリック・フリーデンソン教授(経営史)と共同で行い、日仏経営史会議の報告集として発表された。 1673年(延宝元年)に江戸で創業した越後屋は、一般庶民に広く呉服を販売する新商法「現銀(きん)、安売り、掛け値なし」を初めて取り入れて急成長。三井文庫に残る帳簿によると、1739年(元文4年)からの10年間には、毎年20万両(1両=4万~6万円)を売り上げた。店員は300人以上で、敷地面積は約2400平方メートルに