青物魚軍勢大合戦の図(あをものさかなぐんぜいをゝかつせんのづ) 歌川広景画 安政6年(1859) 財団法人 味の素食の文化センター所蔵 上の錦絵は、擬人化された青物(野菜)と魚介類の合戦を描いたもので、安政6年(1859)に板行されています。安政5年には、致死率の高い疫病のコレラが長崎から侵入して日本中に伝染し、3年間にわたって流行し、「安政コレラ」と呼ばれました。 この絵の青物はコレラにかからない食物、魚はかかりやすい食物を示しているともいわれています。 人間以外の生物や無生物を擬人化して戦わせる主題は、異類合戦物として室町時代から物語や絵にとりあげられており、食物を擬人化したものでは、文明以前(1469以前)の成立といわれる『精進魚類物語』が知られています。この物語では納豆を大将とする精進軍が勝ち、魚類軍の大将鮭の大介は、鍋の城で討死しています。 上の錦絵に登場するのは、右側の青物軍は