上は新たに連続する場面と分かった「鳥獣人物戯画」甲巻の23枚目(右)と11枚目。下は現在の甲巻の10枚目(右)と11枚目(修理報告書「鳥獣戯画 修理から見えてきた世界」より) 京都市の高山寺に伝わる国宝絵巻「鳥獣人物戯画」(平安―鎌倉時代、甲乙丙丁の4巻)の甲巻について、絵順の入れ替わりが和紙に付いたはけ跡から裏付けられたことが、2日分かった。このほど出版された修理報告書「鳥獣戯画 修理から見えてきた世界」(京都国立博物館編)で明らかにされた。 従来、絵に連続性がない箇所があることから入れ替わりは指摘されていたが、和紙の調査でも確認され、よく分かっていない制作当初の姿を知る手掛かりとなりそうだ。 23枚の和紙をつなげた甲巻は擬人化された動物が描かれた代表作で、長さ約11メートル。