紛争や迫害で住む場所を追われた世界の難民や国内避難民は第2次世界大戦以降、最多を更新している。ボートで海を渡り、線路を歩く姿など海外の報道は増えたが、国内には難民が少なく、接する機会はあまりない。日本で暮らす難民申請者たちに、逃れてきた経緯やいまの思いを聞いた。20日は「世界難民の日」。 生まれは難民キャンプ 「好きで難民申請したわけではない。他に自分を守る選択肢がないからと分かってほしい」 2011年11月に来日し、京都市で暮らすアフガニスタン出身のイーダック・モハマッド・レザさん(34)はこう話す。 アフガニスタンの少数民族ハザラ人だ。ヘラートという都市で、孤児のために活動している日本のNGO「ラーラ会」の職員として働いていた。すると反政府武装勢力タリバーン派から「キリスト教に改宗した」という根拠のない理由で死刑宣告を受け、自宅を襲撃されるなど迫害を受けるようになったという。身の危険を