生活のために働き続ける高齢者が増えている。現役時代に不況に遭遇するなどして低年金に苦しむ層が多いためだ。人生百年時代と言われる長寿社会を迎え、生きがいや社会参加を目的にした高齢者が注目される裏側で、「働かざるを得ない」という実態がある。 (畑間香織) 【関連記事】非正規高齢者、過労死労災申請に壁 独立行政法人「労働政策研究・研修機構」の二〇一九年調査(複数回答)で、六十代の約二千九百人に仕事をする理由を聞いたところ「経済上の理由」が76・4%と突出していた。調査の担当者は、年金支給開始年齢の引き上げに伴い、生活維持のため働き続ける人が増えているとみる。