世間では、若者の日本語力が低下していると言われて久しいが、考えてみれば日本語のみならずあらゆる学問でそんなことが言われている。その原因は「ゆとり教育」の責任だとか、携帯電話やネット文化によるものなど、様々な論説があるようで、ネットで『学力低下』と検索すると55万件ものヒットがあり、その原因分析に関しての議論が色々となされているのがよくわかる。 日本語学者の金田一秀穂は、今の若者の日本語力低下には少し違った考えを持っているようである。日本語学者のイメージからはおよそかけはなれた『適当な日本語』というタイトルの本著において、いわゆる日本語力の低下=能力の低下ではないと言っている。 若者の国語力についてさまざまに言われますが、彼らは少なくともそれ以前の世代に比べて、コミュニケーション能力がかなり高くなっていると思えます。話すことが、格段に上手になっています。それは、言葉への柔軟な態度によるもので
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