ネット証券大手のカブドットコム証券(東京都千代田区)元社員が引き起こしたインサイダー取引をめぐり、同社の外部調査委員会が、調査報告書を発表した。その内容は、本来ならば秘密にすべき情報も、安易にメールで多くの人に送信してしまう「メール文化」が事件の背景にあることを指摘したほか、さらにその背景には「社長は部下を信じ切れずにいた」などと、社長のワンマンぶりを厳しく非難する異例の内容となった。 通常の社員が1日に500通のメールを受信 問題となったインサイダー事件は、三菱東京UFJ銀行がカブドットコム証券に対して行った株式公開買い付け(TOB)をめぐり、カブドットコム証券の社員が07年3月と11月の2度にわたって未公開情報に基づいて同社株を知人名義の口座で売買していた、というもの。この社員は社内規則違反が確認されたとして、09年5月13日付で懲戒解雇され、09年6月には、金融庁が課徴金の支払いを命