高畑勲監督のジブリ最新作映画『かぐや姫の物語』、ご覧になりましたか? 人目もはばからずふわわとあくびをし、カエルの真似をしてケロケロ這う無邪気な乳幼児時代のかぐや姫、激萌えでした。少女に成長してからも粗末な衣服を着て泥だらけで野山を駆け回っていた彼女は、翁からプレゼントされたピンクの薄衣を見るや目を輝かせ、衣を羽織って大喜びで家中を飛び回ります。ピンクの服、そしてお姫様として与えられた大きなお屋敷にときめくかぐや姫の気持ちは、きっと純粋なものだったはず。しかしそこからはじまる、欲望の客体「女」としてひたすら自我を殺すことを強要されるかぐや姫の怒りと絶望の描写には、娘を育てる身として大変心が痛んだものです(求婚しにきた浮気男を試すために本妻と入れ替わるという『ロンドンハーツ』みたいなドッキリには笑いましたけど)。 純粋な気持ちでピンクやプリンセスに憧れているうちに、「客体として生きよ」という