2010年は国内企業の海外展開が一層進むとみられる。海外進出の基盤となるのがICTだ。MM総研の中島洋代表取締役所長は、国産ICTのレベルの高さは世界でも類を見ないものであり、海外戦略においても通用すると力を込める。 世界はアジア志向に 日本企業にとって従来の中国は、安い労働力でソフトウェアをオフショア開発し、情報システムを安価に構築するための労働供給元という位置付けだった。だがここにきて、中国は有望な市場に成長している。日本側がリソースを共有する市場になっており、10年経てば中国が日本をオフショア開発に使うといった「転換」が起きる可能性も出てきた。(日本企業の)グローバル展開の意味が、従来の欧米志向から中国などのアジア志向に変わってきているという前提をまずは押さえておく必要がある。 もともとオフショア開発がはじまったのは1990年前後だ。米国が国際競争力の落ち込みを回復させるために、情報