かつて政治は生活と最も遠いものだった 今年の選挙はいつもとまったく意味が違う。かつての森首相ではないが、若者が「寝ていてくれ」ても、政治はそれなりに動いた。それは、若者たちが、会社員として企業に就職し、きちんと所得税を払うことで国は成り立っていたからだ。政治に無関心でも別にかまわなかった。ところが、不況で政治そのものに生活を頼らざるを得なくなってくると、どうしても行政に不満を抱かざるを得ない。 雇用の非正規化と不安定化が進み、職場がますます少数精鋭化する中で、心を病むサラリーマン、公務員が急増している。(中略)家族もまたしだいに重い問題を抱え込みつつある。介護問題など高齢社会の到来が家族にもたらした負荷については、比較的早くから認識されてきた。加えて、子供や若者の育ちや家庭内の暴力などにかかわる問題が広がっている。(中略) いずれも、働くことや学ぶこと、あるいは家族を形成することの根本的