三浦英之 新刊「涙にも国籍はあるのでしょうか」 @miura_hideyuki ①イスラム国による人質事件を取材し、昨日ヨルダンを離れた。今回の事件は日本の将来に恐らく大きな影響を及ぼすだろう。備忘をかねて約20日間に及んだ個人的な取材記を残そうと思う。少し長くなるかもしれない。 pic.twitter.com/0eUeuTYQ8x
先日、僕が司会をしている「朝まで生テレビ!」で、ISILについて、とことん議論をした。ISILとは、「イラクとレバントのイスラム国」の頭文字をつなげたもの。いわゆるイスラム過激派組織「イスラム国」のことだ。 彼らは日本人を人質にとって、死刑囚との身柄交換などを要求、脅迫をしていた。そして非常に残念なことに、結果はたいへん厳しいものとなった。 この事件が日本の外交姿勢につきつけた問題は、非常に大きい。昨年から自国民が人質になっていることを知りながら、なぜ安倍首相は中東を訪問したのか。なぜイスラエルであのような演説をしたのか。政府の足をひっぱらないように、野党も追及しなかったが、これらの疑問点は、いずれしっかりと検証されるべきだろう。 いうまでもなく国際政治は、実に複雑でデリケートである。今回の人質事件に関していえば、たとえ難民への人道的な支援のために資金を出すのだとしても、それらの国と戦闘状
池内恵さんの『イスラーム国の衝撃』が2015年1月20日の発売直後から大きな話題となっている。発売翌日には増刷が決まり、累計85,000部に達した。著者の池内さんに緊急インタビューをした。 ――発売日当日に日本人人質事件が発生しました。 「イスラーム国」による人質殺害要求やその背後の論理、意図した目的、結果として達成される可能性のある目標については、本のなかで詳細に分析しています。今回の事件も本書で想定していた範囲内の出来事と言えます。 しかし、偶然とはいえ、あまりのタイミングでした。 事件発生直後から問い合わせが殺到したため、「中東・イスラーム学の風姿花伝」という個人ブログで、「『イスラーム国』による日本人人質殺害予告について:メディアの皆様へ」という文章で見解を載せたところ、「シェア」による拡散が3万8000件(1月22日午後8時現在)にも達しました。 これまでも自分自身の「研究活動」
日本人2名がイスラーム国の人質となるテロが発生しました。テロリスト達は、安倍政権の中東政策を反イスラーム国的であると断じた上で、2億ドル(=約238億円)の資金を支払わなければ、人質を殺害すると予告しています。今般のテロ行為は、総理の中東歴訪のタイミングに合わせ、日本国民と世界の注目がもっとも集まるタイミングを狙ったものです。イラクやシリアでの戦闘で力をつけ、欧米人の殺害を繰り返してきたイスラーム国のテロリスト集団としての錬度を見せ付けています。 事態に対処する政府担当者からすれば、人質の一人である湯川さんの拘束から既に数ヶ月が経過しており、危機対処のマニュアルは整備されているはずです。まずは、従来からの方針に基づいた対処を進める以外にないのだろうと思います。 日本国内の反応は、これまでも人質事件に際して繰り返されてきた構図を踏襲しています。一方には、テロリストとは絶対に交渉してはいけない
池内恵(いけうち さとし 東京大学准教授)が、中東情勢とイスラーム教やその思想について、日々少しずつ解説します。有用な情報源や、助けになる解説を見つけたらリンクを張って案内したり、これまでに書いてきた論文や著書の「さわり」の部分なども紹介したりしていきます。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く