第19回(『100万年地球の旅 バンダーブック』)でも触れたが、アニメブームの頃には、TVスペシャルとして多数の長編アニメが作られた。その中には冴えない出来の作品もあり、仕上がりに関して言えば、玉石混淆な状況だった。『キャプテン』は、そんなTVスペシャルブームが生んだ成果のひとつだった。 原作は、ちばあきおの同名野球マンガ。主人公は、野球の名門である青葉学院から墨谷二中に転校してきた谷口タカオという少年だ。彼は青葉学院では二軍の補欠だったのだが、墨谷二中の野球部で、青葉のレギュラーだったと勘違いされてしまう。谷口は周囲の期待に応えるために、猛烈な練習を続けていく。やがて、先輩にその努力を買われ、墨谷二中野球部のキャプテンとなるのだった。 この作品には複数のバージョンが存在する。最初に放映されたのが1980年4月2日。地区予選の決勝で墨谷二中が、強豪青葉学院と試合をし、惜しくも敗退するまでが