<概要> 人体内の放射性セシウムは尿や組織の放射化学分析により、あるいはホールボデイカウンタを用いて検出・測定ができる。1945年、米国ネバダ砂漠で行われた最初の核実験以来繰り返された核実験やチェルノブイリ原子力発電所事故などにより放出されて食物連鎖を介して人体に摂取され、蓄積されたセシウム137の放射能がセシウム137の体内量である。体内量は摂取する食物の汚染の程度や汚染の継続時間によって異なる。また、食物の摂取量や生物学的半減期に違いのある性や年齢によっても体内量は異なる。 ホールボデイカウンタで測定された日本人の成人男子について1963年から1994年までの体内量の推移、同程度の期間測定が行われたスウェーデンとカナダにおける体内量の推移を中心に述べる。性、年齢層などのパラメータと体内量の関係、さらに乳児期の体内量の推移の特異性についても述べる。 <更新年月> 2006年12月 <本文