カルロス・ゴーン氏は、なぜ逃亡したか。 日本の刑事司法の闇のフルコースを喰らい、絶望したから、ではないでしょうか。 何か問題が起こると、誰かの責任問題にしたい人たちがいます。しかし、最初に申し上げておくと、今回の件に限っていえば、保釈を認めた裁判所にも、保釈請求を通した弁護人にも、一切責任も問題もありません。 これは、日本の刑事司法システムをきちんと理解している人にとっては当然の理解です。本件で裁判所と弁護人の責任を問おうとする人は、日本の刑事司法に関する基本的な知識がないし、本件の特殊性を過大評価しているだけと言っていいでしょう。 他方で、おそらく刑事弁護に携わる多くの弁護士は、彼が逃亡したくなった理由に、理解を示すと思います。 彼の弁護人を務めている高野隆先生は、昨日、ブログでこのようなコメントをされておられました。 確かに私は裏切られた。しかし、裏切ったのはカルロス・ゴーンではない。