「必ずしも全ての委員が、報告書全ての記載について完全に合意したものではありません」。2020年2月5日、最終回となる第5回葛西臨海水族園事業計画検討会が新宿NSビル(東京・新宿)で行われた。冒頭は、報告書案の「おわりに」に記された一文だ。これほど複数の委員が不満を主張し、物別れに終わる検討会も珍しい。 東京・江戸川にある都立葛西臨海公園内に立つ葛西臨海水族園。谷口吉生氏が設計した。シンボルとなるのが、海と水盤を背景に来園者を迎え入れるガラスドームだ。2020年2月12日に撮影したときはメンテナンス工事が行われていた(写真:日経アーキテクチュア) 葛西臨海水族園(東京・江戸川)は都立葛西臨海公園内に立つ水族館で、1989年10月に開園してから約30年がたつ。大人も子どもも楽しめる水族館の先駆け的存在で、現在も年間約150万人が訪れる。谷口建築設計研究所(東京・千代田)が設計を手掛け、建築業協
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