この20年間で日本の書店は半減した。書店調査会社のアルメディアによれば、2020年5月の全国の書店数は1万1024店。2000年が約2万1500店だったので、約1万店の書店が店を閉じたことになる。 要因としては、アマゾンに代表されるネット書店の台頭、また紙の本から電子書籍への移行などが挙げられるが、長年、書店でのブックハンティングを愉しみとしてきた筆者としては寂しい限りだ。 このリアル書店の閉店という現象は、どうやら日本だけのものではないらしい。今回紹介する映画「ブックセラーズ」(D.W.ヤング監督)では、激減するニューヨークの書店の現状にも触れている。 この街で90年以上も店を構えている老舗のストランド書店の3代目は、「1950年代のニューヨークには書店が368店舗あった。いまではたった79店舗」と語る。かつてグリニッジヴィレッジにあった「ブックロウ」と呼ばれた書店街も、1927年には4