平和記念式典を「厳粛の中で行う」と定めた広島市平和推進基本条例が6月に施行されてから初の式典を迎えた6日、原爆ドーム(広島市中区)周辺には、反戦反核を訴えるデモ団体やデモに反対する団体が集まった。市は拡声器を使ったデモの音量を測定し、結果の分析を進めて団体と対応を話し合う。 午前6時前には複数の団体が集合。条例に反対してきたデモ団体「8・6ヒロシマ大行動実行委員会」(中区)は人垣を築いて場所を確保し、拡声器で核兵器廃絶などを訴えた。条例に賛同し、市に静かな式典を求めてきた団体「静かな8月6日を願う広島市民の会」(東区)はデモ団体を囲み「厳粛かつ静謐(せいひつ)な式典を」と書いた紙を無言で掲げた。 式典が始まると、デモ団体は拡声器で菅義偉政権を批判する文言を叫びながら、会場東側の元安川沿いを行進した。中島健共同代表(74)は取材に、「この日に声を上げて首相に訴えるからこそ意味がある」と主張。