2005年、ネット怪談の金字塔たる「コトリバコ」が投稿される。現代の子殺し怪談といえば、この話を忘れる訳にはいかないだろう。 ――舞台は島根県のとある地域。偶然、旧家から奇妙な箱を見つけた投稿者たち。それは百数十年前、乳幼児たちを生贄にしてつくられた最強の呪物「子取り箱」だった。 話は、明治元年頃にまでさかのぼる。隠岐騒動の「反乱を起こした側の一人」という男が、投稿者たちの集落へと逃れてきた。その際、男から地元民たちに伝えられたのが、コトリバコのつくり方だった。 「最初に、複雑に木の組み合わさった木箱をつくること(略)その木箱の中を、雌の畜生の血で満たして、1週間待つ/そして、血が乾ききらないうちに蓋をする。/次に、中身を作るんだが、これが子取り箱の由来だと思う。/想像通りだと思うが。間引いた子供の体の一部を入れるんだ。/生まれた直後の子は、臍の緒と人差し指の先。第一間接(原文ママ)くらい