旧日本軍の関東軍防疫給水部(通称731部隊)所属の軍医将校が博士号を取得した論文について、人体実験に基づいている疑いがあるとして、研究者らが14日、京都大(京都市左京区)で講演した。研究者らは論文の不自然さを指摘し、学位を授与した京大に検証を求めるための署名を呼びかけた。 ■論文に「サルが頭痛を訴えた…」 滋賀医科大の西山勝夫名誉教授らが設立した「満州第731部隊軍医将校の学位授与の検証を京大に求める会」が主催。同部隊の研究を続けてきた神奈川大の常石敬一名誉教授が講演した。 論文は、サルを使って蚤(のみ)の一種「イヌノミ」によるペストの媒介能力を研究した内容。昭和20(1945)年5月31日付で旧京都帝大(京大)に提出された。筆者の軍医将校は直後に死亡したとされるが、同大は同年9月に文部大臣(当時)の認可を受けて医学博士の学位授与を決定した。