大気中に含まれる鉛がスギ花粉症の症状を悪化させる可能性があると、福井、名古屋両大の研究グループが発表した。患者の鼻汁には花粉の飛散時に花粉症ではない人よりも鉛が多く含まれていた。鼻の中の鉛を減らすことで、症状の緩和につながる可能性があるという。論文が米医学誌の電子版に掲載された。(桑田睦子) スギ花粉症についての研究成果を発表する藤枝教授(左)と坂下講師(永平寺町で) 福井大の藤枝重治教授(耳鼻咽喉科・頭頸部外科学)らは2016、17年、花粉の飛散前と飛散時に、20~40歳代の患者44人と、花粉症ではない57人の鼻汁を採取し、大気汚染物質である鉛や水銀、カドミウムの量、患者らの症状を調べた。 その結果、飛散前は双方の鉛濃度がほぼ同じだったが、飛散時は患者の方が40%程度高かった。測定した花粉の飛散量も踏まえると、花粉に付着した鉛が鼻の中に入って数日間残り、くしゃみや鼻づまりの症状を悪化させ
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