三日。寒中見舞を出すのはまだ早いの? と家人が訊くので、今年はたしか五日あたりが寒の入りだから、たぶんそれ以後がいいと思うよ、と答えた。郵便が配達されるのに数日はかかるだろうけど、寒中じゃないのに出すのはやはりどこか変じゃないかな、というような話をして、節気による寒中と暑中の説明をしたら、そういう小ねたってどこで仕入れるの? と訊かれた。小ねた、と言われれば、まあそういうことになるのかも知れないが、でも、何かちょっと違う気はする。 ★ 表現や感性に新しさがあろうとなかろうと、自分がいいと感じられない短歌は否定する、と言う歌人は多い。その頑固さに閉口することもあるが、私自身もまた頑固な歌人の一人であり、自分の短歌観を捩じ曲げてまで、新しいだけの作品を諾う気など毛頭ない。ただ、問題は、自分の短歌観をどこまで固定的なものとするか、である。あるとき出会った作品や批評によって、短歌観が大きく変化した