サルなどの野生獣類による農業被害は平成18年度で135億円にのぼり、全国的に深刻な問題となっています。森林総合研究所(森林総研)は、サルによる農業被害を減少させるため、人間とサルの生活域を分けて里に居着いたサルを山に戻す「追い上げ」のマニュアルを作成しました。 森林総研、日本獣医生命科学大学、宇都宮大学農学部、および長野県林業総合センターによるサルの群れの行動観察や山への追い上げ実験の結果から、林縁の低木を伐り下草を刈り払って見通しをよくすること、サルの追い上げ先に群れが生息できる環境を確保すること、犬を積極的に活用することなど、追い上げを効果的に行うための配慮事項が明らかになりました。このマニュアルが活用されることにより、「追い上げ」が被害防止技術として各地で実施され、サルと人との共存が果たされるようになることが期待されます。 なお、本研究は、農林水産省の先端技術を活用した農林水産研究高