ユルゲン・ハーバーマスは現代ドイツを代表する社会学者・哲学者です。「批判理論」「コミュニケーション的理性」の理論家として有名ですが、その守備範囲は社会理論をはじめ、言語哲学、科学哲学、政治・法理論、宗教論など非常に多岐にわたるため、何から手をつければよいのか途方に暮れるかもしれません。というわけでビギナーへ向けたブックガイドを公開します。 基本編 まず読むのは『コミュニケーション的行為の理論』(1981年)。 ハーバーマスの主著。マルクスやウェーバー、パーソンズなどの理論を再構成しながら、権力や支配の合理性ではなく、対話がつくり出す相互了解が合理性の基準だと主張しています。邦訳は上中下の三巻。分厚く内容もかなりハードなので輪読をおすすめします。