地図を読む上で欠かせない、「地図記号」。2019年には「自然災害伝承碑」の記号が追加されるなど、社会の変化に応じて増減しているようです。半世紀をかけて古今東西の地図や時刻表、旅行ガイドブックなどを集めてきた「地図バカ」こと地図研究家の今尾恵介さんいわく、「地図というものは端的に表現するなら『この世を記号化したもの』だ」とのこと。今尾さんいわく、「日本の地形図に森林といった包括的な記号はない」そうで―― 。 森の記号は針葉、広葉、その他いろいろ ネットの地図では「緑色の表示が森林」というのが定着している。実際の緑の濃淡はいろいろだが、川や海を水色で表現するのと同様にイメージしやすい色使いだ。 アメリカやスイスなど、国によっては薄い緑の面表現で森林を表す地形図を刊行している例も珍しくないが、日本の地形図に森林といった包括的な記号はない。明治から現在に至るまで、いくつかの記号で分類してきた。 針