仲介手数料1カ月分、敷金2カ月分、礼金1カ月分、更新料1カ月分……。家賃10万円の賃貸マンションに3年住んだとして、敷金が戻らなければ、50万円の出費だ。だが、当然と諦めてはいけない。実はこれらはすべて減額、もしくは取り返せる可能性があるのだ。 「特に敷金の全額返還は、もはや当たり前」――。日本住宅性能検査協会の大谷昭二氏はこう言い切る。近年、借り主の味方となってきたのは、国土交通省が借り主と貸し主の支払い義務範囲をまとめた「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」。法律ではないが、最高裁判所で行われた敷金を巡る裁判で、勝訴の判決理由になっている。最高裁での判決は全国の裁判所の判決を左右するため、ガイドラインに準じない=法例違反と言うことが可能。こういった恩恵を受けて、敷金の多くが戻るようになったわけだ。 国交省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は、賃貸に関する金銭トラブルに関わ