iPhoneでよみがえるUWB、アップルが採用したワケ（前編）「新しいiPhoneにUWB（Ultra Wide Band、超広帯域無線通信）が搭載されるとの発表があってから、突然、何件も問い合わせが来た」――。こう語るのは、かつてUWBの応用開発に従事し、現在でも無線関係の仕事に就いている、ある大手電機メーカーの社員である。そんな彼に、「寝耳に水」とばかりに、社内からiPhoneのUWB搭載に関する問い合わせが相次いだ。 UWBと言えば、高速通信が可能、あるいは高精度な屋内測位が可能といった特徴から、2000年代前半に脚光を浴びた無線技術である。当時はもっぱら1Gビット/秒の高速通信を実現する潜在力を秘めた技術として注目された。例えば、高いデータ伝送速度をうたう通信規格として、「Wireless USB」や「TransferJet（トランスファージェット）」などが登場した（関連記事）注1）。ところが高速無線LANの高速化やキラーアプリケーションの不
