老化に関わる遺伝子を操作することで生物の寿命を延ばせる可能性があることを国立遺伝学研究所の研究グループが酵母菌を使った実験で突き止めました。 この研究は国立遺伝学研究所の小林武彦教授の研究グループが行ったものです。 研究グループは、生命維持に欠かせないタンパク質を作る「リボソーム」という細胞の中の器官に注目し、リボソームの遺伝子の働きを酵母菌を使った実験で詳しく調べました。 その結果、酵母菌の老化が進むと、リボソームの遺伝子の中で特定の部分の働きが不安定になることが分かりました。 そこで、老化が進んでも働きが安定するよう遺伝子操作をしたところ、酵母菌の寿命は通常の2日間から3日間にまで延びたということです。 小林教授は「老化のメカニズムの一つが解明された。将来的には人の寿命を延ばすことにもつながる可能性があると思う」と話しています。