京都・出町柳は、高野川と加茂川の合流地点。ひとつの流れになった川は、鴨川と名前を変えて市内を南へ流れていく。この地にある出町柳駅は、大阪と京都をつなぐ京阪電車の終着駅と比叡山方面へ伸びる叡山電鉄の始発駅を兼ねるハブステーションだ。叡山電鉄改札口を出ると、『レンタサイクルかりおん(以下、『かりおん』)』の手描き看板の前をひっきりなしに自転車が行き交うのに気がつく。 『かりおん』は、“個人経営”による“サイクルシェア”を行うレンタサイクル店。サイクルシェアとは、「24時間利用可能な月極レンタサイクル」で、利用形態や利用時間帯の違う会員間で自転車をシェアするしくみである。国内で普及しているサイクルシェアは、鉄道会社が駅に併設する例がほとんどで、民間業者しかも個人経営でのサイクルシェアは非常に珍しい例だ。現在、『かりおん』のサイクルシェア会員は約540人。しかし、自転車の保有台数は350台と会員数