インフォグラフィックスの二つの役割 近年インフォグラフィックスは、複雑化していくコミュニケーション活動を背景に、さまざまなシーンで注目を集めているが、その役割は大きく分けて二つの側面があると考えられる。 ひとつは人間のさまざまな活動を支える基盤となるものである。例えば交通案内標識、ピクトグラム、地形・地理を記した地図、時刻表など公共空間で見られるものから、工業製品やウェブサイトのインターフェイスまでと幅広い。これらはいずれも正確な情報表示が求められ、人間活動に支障をきたさないようにナビゲートしていくことを意識した、客観的な操作に基づく汎用性の高い視覚表現が必要となる。 もうひとつは、社会に潜むさまざまな問題点を明らかにし、それによって新たな視点の提示や問題解決への思考を促していく役割である。情報の正確な表示というよりも、作り手の主題に合わせて伝えたい情報を選別し、受け手の能動的な読み解きを
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