月並み?だが、自分が養子だった事。 高校の修学旅行でパスポートが必要になり、戸籍謄本を取った時に愕然とした。 その日は何も手に付かず、夕飯で両親が揃った時、思い切って問いただした。 最初は鳩が豆鉄砲食らったような顔をしてた父が、みるみる目と口を開いていき。 「忘れてた!!」 今度は私が豆鉄砲を食らいました。 結婚当時、子宝に恵まれず、まだ赤ん坊だった私を施設から引き取った事。 年頃になったら説明しなきゃいけないなあ…と思いつつ、3人で生活している内に 養子という意識も薄れ、私が中学生になった頃にはすっかり頭から抜け落ちていた事。 「いや、小学校卒業した時に説明するかどうか悩んだ記憶があるから、それまでは覚えてたんだよ」 などとしどろもどろで言い訳する両親を見てると、ああ、二人は間違いなく私の両親なんだなあと 思えて、なんだか泣き笑いになってしまった。 あれから10年