純資産の変動が利益に 2011年3月期の年度決算から日本の会計基準で適用される「包括利益表示」が注目されています。損益計算書のボトムラインが従来の当期純利益から包括利益に変わることで、企業のビジネスへのさまざまな影響があるでは、と言われています。包括利益をどう考えればいいのか、有限責任監査法人トーマツが行った説明会から読み解いてみましょう。 包括利益とはIFRSフォーラムのこれまでの記事(考え方の転換が必要な財務諸表の表示と作成)でも解説してきましたように「特定期間の財務諸表において認識された純資産の変動額のうち、当該企業の純資産に対する持分所有者との直接的な取引に由らない部分」と定義されています。IFRSや米国会計基準で導入されている利益概念で、日本の多くの企業では2011年3月期の年度決算から連結財務諸表に適用されます(個別財務諸表への適用は6月末までに判断)。 包括利益は「当期純利益