【解説】 衛星は、太陽放射圧や重力傾斜(衛星の質量中心に対して、地球に近い場所と、遠い場所にある部分は、距離の二乗に逆比例する重力の大きさが厳密には異なるために、外乱トルクの原因となります)などの外乱に打ち勝って、ミッションを達成する姿勢を維持する必要があります。例えば、静止軌道の通信衛星では、地球方向の所望の方向に高精度でアンテナを指向させることが要求されます。この要求を達成するのが姿勢制御系です。外乱による衛星姿勢の変化の状況は、センサによって検知され、姿勢が本来の目標値からどれだけずれているかを知ります。次に目標値に戻すために必要な姿勢角コマンドを作り、制御トルクを発生し姿勢を正しい位置に戻す操作をします。 衛星の姿勢の定義について図1に示します。通常運用されている通信・放送衛星はアンテナ面を地球方向に指向させた地球指向の姿勢で、また地球観測衛星は、地球観測センサ面を地球方向に指向