打者の手前で不規則に変化して「魔球」とも呼ばれるナックルボール。習得が難しく、日本球界では使いこなす投手は少ないが、社会人野球のクラブチーム、ウィーンベースボールクラブ(神奈川県鎌倉市)の投手で慶応大4年、佐野川リョウ(本名・怜)さん(22)は、約10年間磨き上げたこの変化球を武器に将来はプロ野球選手を目指す。米国でプレーするチャンスを求め、現在はアリゾナ州で開かれている合同トライアウトに参加している。【大村健一/デジタル報道センター】 【動画で見る】佐野川投手の投球 佐野川さんが試合で投げる球はほぼすべて、山なりのナックルボールだ。「どんな相手にも、ど真ん中に向かって無回転で投げることだけを考えている。球速105キロの球で打者を打ち取った瞬間は本当に楽しい」 人さし指と中指を曲げて指先で押し出すように投げる。ほぼ無回転のボールは空気抵抗で縫い目の位置が微妙に変わることにより、不規則に