かつて主流だった折り畳み型フィーチャーフォンでは、伸縮式のホイップアンテナが使われていて、アンテナが付いていると一目で分かった。だが最近のスマートフォンはアンテナがきょう体に納まっており、どこにアンテナがあるのか分からない。 スマホの形は押し並べて薄い板状であり、どの製品も似たり寄ったりだ。ところが内部のアンテナ実装は、スマホメーカーの特徴がはっきりと出る。著しいのがアップルのiPhoneだ。以前、iPhone 6のRF実装やベースバンド実装について考察したが、今回はiPhone 6のアンテナ実装に注目して、アップルの設計思想に迫ってみる。 薄いきょう体にアンテナを内蔵する工夫 iPhone 6のアンテナについて見る前に、そもそもアンテナとは何か簡単に振り返ってみよう。アンテナは電波を送受信するための素子のこと。素子には電気を通す導体を使う。信号を載せた交流電流をアンテナに流すと、同じ波形
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