注目されていた日米欧の中銀の金融政策の方向性が出揃った。欧州中央銀行(ECB)は市場の予想を上回る内容の緩和策を決定したが、日銀は現状維持、米国連邦準備制度理事会(FRB)も利上げ見送りとなり、市場の予想通りだった。これらを受けて株価は上昇し、市場には楽観的な見方も徐々に広がりつつあるが、4月以降の相場急変リスクに注意が必要だ。 中銀の「壮大な実験」に付き合うリスク 10日のECB理事会では、市場の予想を超える緩和策だった。かなり踏み込んだ印象があるが、これで後戻りできなくなったとの印象のほうが強いというのが筆者の感想だ。つまり、結果が出るまでマイナス金利や量的緩和を推し進めるとのECBの強い意思を感じる一方、ある時点で結果が出なかった場合の悲惨な状況も想定しなければならないということである。これは日銀の政策にも同じことが言える。 黒田総裁は、「必要であれば、追加緩和を行う」との姿勢を崩し
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