オシム、岡田武史、ザッケローニと歴代代表監督からコンスタントに招集されている中村憲剛。Aマッチ59試合出場で6ゴールをあげている。 あのブリスベンでは印象深いシーンがあった。 オーストラリアを相手に栗原勇蔵が先制ゴールを奪ったときのことだ。その瞬間、背番号16は迷うことなく控えメンバーの待つベンチに向かっていった。 抱きつく味方を引きずりながら、倒れながら、栗原はピッチ際で待ち受けていた歓喜の輪に飛び込んでいく。清武弘嗣がジャンプして栗原の大きな体を受け止め、次々とビブスを着た控えの選手たちがなだれ込んだ。 輪の外側に手を叩きながら笑顔を浮かべる中村憲剛がいた。栗原やアシストした本田圭佑たちを迎え、最後には肩をポンポンと叩いて再びピッチに送り返した。記者席からでもチームの一体感は十分に伝わってきた。 ふと2年前の南アフリカワールドカップのカメルーン戦を思い出した。 本田が先制ゴールを決めて