学生時代の同級生で、30になるのに一切働かない奴がいる。 仲間うちでは成績はピカ一だった。当時から分厚い洋書をバターにナイフでも入れるかのようにサクサク読みこなしていた。 名家の出で、父上は元官僚にして実業家、今は経営の実権は兄上に移っているといい、当人は家族に生活費を出してもらって、都内に一軒家を借り、使用人を2人も置いて悠悠自適の生活をしている。 仕事もしないで何をしているのか不思議だが、膨大な本を読み、コンサートに足しげく出かけ、実家のコネを使って外国人主催のパーティに出入りしたり、芸者遊びまでして、本人は多忙なつもりらしい。 家族は彼が働かないことは全く気にしていないようだが、30にもなって独身でいることこそを問題視しているらしく、しばしば縁談を持ちかけては断られているようだ。 「だって、君だって、もうたいてい世の中へ出なくっちゃなるまい。その時それじゃ困るよ」と言ってみたことがあ
この春、岐阜市に住む12歳の小学6年生が門出を迎える。心は女性だが、体は男性という性同一性障害(GID)。中学校への進学を機に、自分らしく生きたい――。不安な気持ちを抱えながらも、両親や学校、友だちに支えられ、大きな一歩を踏み出そうとしている。これからはこう呼んでほしいと、「あおい」という名前を自分でつけた。4月から、セーラー服に袖を通す。 「パパ、見て。似合うでしょ」 22日、岐阜市の自宅の居間で、あおいさん(12)はこの日買った黒いブレザーと赤いスカートを着て、父(46)と母(49)に披露した。25日の卒業式に着る洋服。「卒業式はやっぱり黒と赤でしょ」と目を輝かせた。
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