スゴい読み手を探せる2冊。書評や読書術も役立つが、それよりも自分好みの「読み巧者」を見つけるメリットが大きい。 将を射んと欲すれば先ず馬から、良書を得んと欲すれば先ず読み手から。わたしが知らないスゴ本は、きっと誰かが読んでいる。だから、本を探すのではなく、人を探す(それは、あなたかもしれない)。本書のような、いわゆる「本の本」を読む理由は、ソコにある。 本書は、日経新聞の同名のコラム4年分をまとめたもの。新刊ではなく、あえて1~2年たった「ちょい古」な本をセレクトしているところがミソ。いわゆる著名人によるレビュー・書評というよりも、むしろ本をダシにした読書の愉しみや本にまつわる思い出語りが楽しい。ここでは、本書で知った読み巧者を中心にご紹介~ ■ わたしが見つけた読み巧者 まず、小林恭二がいい。 いや、氏の小説は一冊たりとも読んでいないが、彼のオススメ「鷲か太陽か?」(オクタビオ・パス、書