■未来を「創造」できる環境を 10年前の米国は空前の好景気に沸いていた。新興市場ナスダックは、その前年からうなぎのぼりで高値をつけ(2000年3月10日に史上最高値…5132ポイント)、インターネットブームの震源地シリコンバレーも熱狂の渦の中にあった。あとから振り返れば、同年4月から崩れ始めるバブル景気がピークだった時期といえる。 当時、10年後の未来からやってきた人が仮に、「2010年のインターネットの世界を牽引(けんいん)しているのは、グーグルとアップルとアマゾン。3社の時価総額合計は4000億ドルを超えてしまった。もしこの3社の00年代の達成がなかったら、インターネットの世界は全く違うものになっていたはずだ」とささやいたとしても、誰も本気にはしなかったろう。当時の高収益企業群の中に3社の姿はなかったからだ。 10年前の今ごろ、グーグルは創業からわずか1年半のよちよち歩きのベンチャーだ