どうやらアップルは意外に早く、次の一歩を踏み出した。つまり、iPadの拡販からApp Storeの収益拡大への重心の移行ということだ。1,000万台に達したiPadは世界の出版社に大きな期待を抱かせてきたが、10ヵ月足らずの「試用期間」を経てアップルが出してきたのは、iPad (iOS製品)をプラットフォームとして利用する場合の厳しい条件と見積だった。iPad(が汎用デバイスであること)を前提にE-Bookビジネスを構想してきたプロジェクトは、再検討を迫られる。今回の「事件」の影響と日本のE-Bookビジネスの対応について考えてみたい。 読者、出版ビジネス、アップル…誰も得をしない まず確認しておきたいが、アップルがアプリの仕様について一方的なガイドラインを押し付けるのは自由だ。米国やEUの司法当局が、独禁法上の違法性について調査する可能性は十分にあるが、ゲーム機ではこれまでソニーもプレス