気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン (働くその1から読む) 近代のヨーロッパの市民社会を構築する上で重要な役割をはたしたのが宗教改革だった。ルターが始めた宗教改革は、信徒と神のあいだに介在する教会のような組織と、神からの許しを請け負う司祭などを否定して、万人が司祭になり、神と直接に向き合うことを目指したのだった。 この宗教的に自立した個人の理念は、伝統的な身分制度に依拠していた中世の社会を根本から変動させてしまった。伝統的な共同体も教会の組織も、その破産が宣告されたのである。これからは、司祭によって魂を救済してもらうのではなく、個人が自己の救済を確保しなければならなくなった。 労働の役割 それでは個人はどのようにして自分の魂の救済を確信することができるだろうか。プロテスタントの