町の本屋さんが、新型インフルエンザによる休校で自宅にいる子供たちに本を届けるサービスを始めた。戦災をまぬがれた昔ながらの町並みが残る空堀地区界隈(大阪市中央区)で昭和27年から親しまれてきた「隆祥館書店」。店主の二村善明さん(74)は「町の本屋としてできることをしたい」と話している。(中井美樹) 「外出できないお子さまに本を配達いたします」。20日、児童書コーナーに張り紙が出された。 店では休校2日目の19日から、小、中学生の姿が目立つようになった。「トムソーヤの冒険」や「十五少年漂流記」など長編に挑戦する小学生や、「家ですることがない」とコミックや雑誌を買っていく中学生がいた。市立図書館は開館しているものの、学校からは利用を控えるよう指導されているため「読む本がなくなった」という子供たちもいた。 そこで、二村さんは自宅で退屈している子供たちのために、地元校区の小中学生への本の宅配を決めた