一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)の都倉俊一会長は、5月21日に開催された定例の年次記者会見で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉に参加する日米など12カ国が、著作権の保護期間を死後70年に統一する方向で調整に入ったとする一部報道についてコメントした。 日本では原則、著作権の保護期間は作者や作家の死後50年と定められている。都倉氏は、保護期間が死後70年で統一される可能性が高まったことについて、「報道以上の情報はないが、お互いの理解を得そうなところまできていると聞いている。雲が晴れ、霧が薄くなってきたという段階」と評価した。 この一方で、通常の著作権保護期間に戦争期間分を加算する“戦時加算”の動きについては「(著作権保護期間が死後)70年に延長されたからといって、戦時加算が10年加えられて80年になるというのは承服できない」とし、一括して解決されるべきとの考えを強調した。