南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! クヨクヨネチネチという陰湿な性格のせいか、どうも竹を割ったような性格の熱血ヒーローが苦手である。「やってやろうぜ、みんな!」などとスポ根モノに出てきそうなキャプテンのかけ声の裏で、こっそり「……うっせえんだよ、バーロー」とうつむきながら呟く。いつも団体生活になじめなくて、隅のあたりでぼんやりしていてはコーチや先輩から小突かれる。 そんな暗い青春を送るタイプの人間だったゆえに、古泉智浩の作品に出会ったときは衝撃であった。じつに凡庸な表現だけれど「雷に打たれたような」とはまさにこのこと。書店で立ち読みしながら、「同士よ!」と心のなかで叫んだのを覚えている。 古泉智浩は現代の日陰者を描かせれば天下一品である。童貞、ニート、オタク、いじめられっ子。社会からハ