1月某日。 今日は、新宿歌舞伎町で「夜だけ営業している薬局」に伺うことになっている。名前はニュクス薬局。 紹介してくれた知人によると、中沢宏昭さんという薬剤師が2014年に立ち上げ、以来毎晩たった一人で切り盛りしているらしい。新宿駅から向かう場合、かつての新宿コマ劇場のちょうど裏側にその店はある。 ほかの薬局が店じまいを始める頃、ニュクス薬局は開店の準備を始める。開店は夜の20時、それから朝の9時まで、毎日13時間の営業だ。 この日、私は19時50分ごろに店の前に着いた。店の明かりはまだついていない。少し待っていると自転車に乗った中沢さんが20時ギリギリに現れた。あとになって聞いたのだが、ここからすぐ近くに住んでいるという。 中沢さんは、私たちと同じく店の前で彼を待っていた宅配業者から荷物を受け取ったあと、店内から「ヘパリーゼあります」「トノスあります」と書かれた2本ののぼりを店先へと引っ