「美しい顔」(群像6月号)についてのコメント 2018年7月5日 東北学院大学 金菱 清 私は7月2日に『3.11慟哭(どうこく)の記録』の出版元である新曜社を通じて、短いコメントを発信しました。 震災をいまだ言葉で表現できない被災者が多い中で、それを作家自身がどのように内面化するのかが問われています。本書『3.11慟哭の記録』は、容易に表現できない極限の震災経験を、編者の求めに応じて被災者が考え抜き、逡巡しながら綴った「書けない人々が書いた記録」です。単なる参考文献の明示や表現の類似の問題に矮小化されない対応を、作家と出版社に望みたいと考えています。(2018.7.2) 私ども東北学院大学金菱ゼミナール・震災の記録プロジェクトは、この7年間震災と向き合い、毎年のように言葉を綴って出版してまいりました(『呼び覚まされる霊性の震災学』『私の夢まで、会いに来てくれた』 『悲愛』 『3.11